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就業規則があるとどんなメリットがあるのでしょうか

就業規則は作ったけど、実際どれくらい役立つのでしょうか?

 

就業規則を作ることによるメリットは次のことが考えられます。

 

①問題社員がいたときに、解雇などの懲罰を与えられる

②未払い残業代で訴えられた際に対抗手段となる

③個人情報や会社の機密情報の流出対策、最近問題になったSNSでの不正投稿対策

④従業員がうつ病などの精神疾患になった時の対策

⑤年次有給休暇の取得促進

⑥パワハラ・セクハラの対策

⑦定年や退職に関するトラブル防止

⑧出張旅費を利用した節税

⑨助成金の支給申請が出来る

⑩採用に有利になる。

 

これ以外にも、経営者が「こうして欲しい」「こういう規制を作って欲しい」という希望があれば、法令などで許される範囲内で対応することが出来ます。

 

※①~⑩については、今後このブログを通して解説していきます。

 

ただ、就業規則の一番のメリットは、会社のルールが文章で明確になって、職場内の秩序がしっかりと保たれることにあります。

従業員が数名しかいなくて、社長の目の届く範囲内に従業員がいるというような会社であれば、社長の言葉=ルールだといっても問題ないかもしれませんが、やはり10人くらい従業員がいるとそういう訳にはいかないですよね。

 

 

就業規則と法律、個別契約との関係

 

「労働基準法など色々労働に関する法律を守っていれば就業規則はいらないのでは?それに、給与とか始業・終業時間とか休みの日は契約書にも書いてあるしなあ・・・」

 

なんて思っている経営者の方もいるかもしれません。

 

少し難しいですが、効力関係というそれぞれの力関係というのがありまして、分かりやすく書きますと

 

労働基準法等の法律>(労働組合がある会社は)労働協約>就業規則>労働契約

 

の順になります。

もちろん法律が一番になります。特に労働基準法は強行法規と言いまして、守らないと使用者に罰則が与えられるという面からも、力関係は上になります。

また、就業規則は、従業員の意見は聞くものの基本的に社長の意思の基に作られるのに対し、労働協約は、経営者と従業員(労働組合)が話し合って決めたものであるので、就業規則より力が上になります。

就業規則は大事だと言っておりますが、力関係で見るとあまり強くなさそうです。

 

ただ、法律で言えば代表的な労働基準法は、労働条件について最低限のことを定めているにすぎず、この法律を上回る労働条件になるように努めなさいとされているので、例えば就職活動をしている学生や求職者から見ると、「就業規則がない会社は最低限の条件で働かされるのでは!?」「そもそも労基法すら守っていないのでは??」というようにブラック企業認定をされてしまうかもしれません。

 

労働協約も賃金や労働時間などの労働条件を定めたものであります。

就業規則や労働契約で週休2日にしている会社であっても、労使で話し合って「週休3日にします」という労働協約を定めると、就業規則を変更することなく週休3日にすることが出来ます。ただし、労働協約は労働組合がある会社でないと締結することが出来ません。

つまり大企業を対象としたものです。また、その効力が及ぶのは労働組合員だけであって、全従業員が対象ではないです。(例えばパートは労働組合に加入していない場合は労働協約から除外されます)

 

個別の労働契約との関係ですが、労働契約法という法律に

「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による」とされており、これはちゃんとした労働条件が書かれていて、従業員に内容をお知らせしている就業規則の内容に違反する個別契約は無効です!! そのときは違反した部分が就業規則と同じになりますからね!ということを意味しています。

つまり、個別の契約より、合理的な労働条件が決めれて労働者に周知している就業規則の方が上位にあるということです。

 

また、就業規則の内容を従業員にしっかり伝えておけば、就業規則の内容が個別の契約になります。

 

 

こういったこともあり、法律や個別の労働契約を結んでいたとしても、就業規則というのは必要になってきます。

 

 

 

就業規則に関して不明な点などございましたら、お気軽にご連絡ください。

問合せは こちら まで

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