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助成金と補助金の違い

経営者の方とお話しをしていますと、助成金と補助金の区別がよく分かっていない方も、たまにみえます。

そこで、助成金と補助金の違いについて見てみます。

 

※このコラムでは、助成金は「雇用に関する助成金」についてのみ記載してます。

 

 

①管轄

助成金・・・厚生労働省

補助金・・・経済産業省・中書企業庁、地方自治体

 

雇用に関する助成金ですので、管轄は厚生労働省になります。お金の出所は、雇用保険になります。(一部労災保険から出るものもあります)

 

補助金は、経産省・中書企業庁が管轄をしています。ただ、各地方自治体で独自に出している補助金もあります。

 

②対象となるもの

助成金・・・主に労働者の雇用や教育に関するもの

補助金・・・主に国が進めたい政策に沿った事業、新規事業の起業支援

 

助成金は、安定した雇用や、就職困難者の支援、従業員の定着やキャリアアップするための教育の支援が対象になります。経済の成長には、失業率が低下し安心して働ける社会というのが基盤になるからです。

 

一方補助金は、主に国が求める事業が対象になります。最近では、消費税増税に対する軽減税率対策補助金や、IT化を促進するための、IT導入補助金が該当します。

また、起業家を増やすための創業支援(地方自治体が行っていることが多いです)や、零細企業を応援する補助金(小規模事業者持続補助金)があります。

 

③他の申請者との競争性

助成金・・・なし

補助金・・・あり

 

他の申請者との関係で、これが最も大きな違いになります。

助成金は、ほぼ関係ないです。ちゃんとした手続をして、決められた通りのことを間違いなく行い、決められた期日までに申請すれば支給されます。いわゆる絶対評価というものです。

(一部の助成金は、予算が決められていて、予算を使い切ると受付けてくれないものもあります)

補助金は、正反対で、他の申請者との競争になります。

申請書が順位付けられて、良いものから順番に予算の範囲まで採択されていきます。これは、学校の通知表と一緒で、相対評価になります。ですので、毎年同じように申請してもレベルが高い年に応募したら不採択になるかもしれませんし、低い年であれば採択ということもあり得ます。いずれにせよ、審査をする人に補助金を出してあげたいと思わせるような申請書を作る必要があります。

 

④申請できる人

助成金・・・経営者もしくは従業員、社会保険労務士

補助金・・・決まりはない

 

どちらも自社の人間であれば申請をすることは可能です。では、自分たちではやらずに第三者に任せる場合はどうでしょうか?

助成金は、社会保険労務士しか申請を行うことができません。たまに、コンサルティング会社が「助成金の申請をしますよ」と営業をしているのを見かけますが、実際申請をしているのは、コンサル会社に付いている社会保険労務士が行っています。就業規則など労務のことがしっかり分かっていないと対応できない助成金が多いので、社会保険労務士に任せた方が安心です。

 

補助金に関しては、決まりがありません。誰でも申請が出来ますし、誰にでも任せることが出来ます。ただ、申請が出来るのと申請して通せるのは意味合いが全く違います。補助金の申請書には事業計画書を添付しないといけないものが多いです。そして、しっかりした事業計画書が書けるといえば中小企業診断士になります。先に述べましたように、補助金は他の申請した人との競争です。確実に補助金をもらいたいというのならば、多少コストがかかっても慣れている中小企業診断士にお任せした方が良いと思います。

また、商工会議所や商工会が補助金の支援をしていることもあります。「小規模事業者持続補助金」という補助金は商工会議所か商工会の支援を受けているというのが前提ですので、無料で計画書の書き方や申請書の書き方も教えてもらうことが出来ます。(計画書・申請書は自身で作成する必要はあります)

 

 

⑤お金がもらえるのはいつか

助成金・・・申請書を提出してから半年から1年後くらい

補助金・・・申請書・計画書に書かれた事業を終えて報告書を提出してから

 

助成金も補助金も後払いというのは共通です。ですが、もらえる時期などがちがいます。

 

助成金は、例えば「採用してから6か月雇用して給料を払ってから申請する」とした場合、給料を払って申請書を書いて提出し、その後審査に入るまで早くて6か月くらいはかかります。たくさんの申請書を少ない人数で審査しているようなのでどうしても時間がかかります。

補助金は、申請書が採択されたのち、申請書に書いた内容をその通り行い、支払いを済ませて領収書などを添えて報告書を提出します。その後約2~3か月で支給されます。

スピードは助成金と比べてかなり速いです。

しかも、補助金は計画の段階で合否が分かるので、万が一不採択になった場合は事業の時期を変えたり、予算を縮小したりするなどの対策が講じられるなどの手段を取ることができます。

 

 

※上記のことは、あくまで一般論になります。助成金の中でも審査も早くすぐに支給されるようなこともあれば、支給までに時間がかかる補助金もあります。

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