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雇用調整助成金の特例について(中国関係の売上等の減少)

新型コロナウイルス感染症の影響により中国からの人の往来が急減したため、中国(人)関係の売上高や客数が減少した企業を対象に、雇用調整助成金の特例を実施することが発表されました。

 

○雇用調整助成金とは

 

そもそも雇用調整助成金というのは、景気の変動や産業構造の変化名などの経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員を解雇などの雇用調整をすることなく、一時休業や出向などを行うことで、歯を食いしばって雇用の維持を図った場合に、休業手当や賃金等の一部を助成するものです。

この助成金自体は通年行われているのですが、大規模な災害が起きたときにはしばしば特例を実施し、助成金の範囲を広げたりする措置が執られます。

例えば、昨年は台風15号、19号、29号、21号の被害により休業や売上げ減少した企業に助成金が支給されました。

ただ、自然災害は地域が限定されるのに対し、コロナウイルスによる中国人の減少は日本中で起こっているため、対象範囲が広く支給要件に該当する企業も多いと思われます。

 

 

○対象となる企業(事業主)

 

今回の助成金の対象になるのは、日本・中国間の人の往来の急減により影響を受け、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である企業(事業主)です。

よって、観光業や宿泊施設、小売業、飲食店などが該当します。

影響を受ける具体的な例は、中国人観光客の宿泊が無くなった旅館・ホテル、中国からのツアーがキャンセルになった観光バス会社、中国向けツアーの取扱いが出来なくなった旅行会社などになります。

 

 

○通常の雇用調整助成金と特例の内容の違い

まず、期間ですが、従業員を休業させたり出向させたりした際の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までというように、期限が定められています。

その他にも

①休業等計画届の事後提出が可能

 通常は、休業等を行うにあたって、事前に労働局かハローワークに休業等の計画届を出します。(基本的に助成金というのは、事前に計画届を出します)

ただし、今回は急を要するため、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある場合は、令和2年3月31日までに計画届を提出すれば、事後であっても休業等の前に計画届を提出したものとみなしてくれます。

 

②生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮

 生産指標とは、販売量や売上高などの事業活動を示す指標です。これが前年同期と比べて10%以上減少していれば助成の対象になるのですが、通常の雇用調整助成金では、3か月間を比較して減少していないといけないのですが、特例では直近1か月が前年比マイナス10%であれば対象になります。

 

③最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成の対象

 通常では、3か月間における雇用保険に加入している従業員や受入れている派遣労働者の人数の平均値が前年同期比で一定程度増加している場合は助成の対象にはなりませんが、特例ではこの要件は適用されません。つまり最近3か月の間に大勢の従業員を雇用し始めていても対象になるということです。

 

④事業所設置後1年未満の企業(事業主)も対象となる

 本来この助成金は前年度の指標と比較して支給要件を確認するので、当然前年の同月に事業活動を行っていないと助成金の対象になりません。ただし特例では、令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の企業は、令和1年12月の指標と比較し、中国(人)関係売上高等の割合を、事業所設置から初回の計画届前月までの実績確認します。

 

○助成額

 

・休業を実施した場合の休業手当又は、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成率

  中小企業 3分の2   大企業 2分の1

・支給限度日数

  1年間で100日(3年間で150日)

 

○その他

 この助成金の財源は雇用保険になります。ですので、申し込みが出来るのは、雇用保険適用事業所の事業主のみになります。

また、支給対象となる従業員は、同一の事業主に引き続き6か月以上雇用保険被保険者として雇用された期間が6か月以上の者になります。よって学生のアルバイトや週20時間未満勤務の短時間のパートタイマーなどは除外になります。

 

その他支給に関しては条件がございます。

不明な点がございましたら、こちらにメール、もしくは(052)766-6510にお電話をお願いします。

 

コロナウイルスの影響はまだまだ続くと思われます。緊急を要する助成金ですので、該当しそうであれば社労士かお近くの労働局にご相談してください。

 

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