入社時には、色々な書類や証明書などを提出する必要があります。
それらを提出することは従業員にとって義務ですので、就業規則に記載した方が良いです。
提出書類と気を付けること
一般的な提出書類は以下のようなものがあります
・誓約書
・身元保証書
・住民票記載事項証明書
・マイナンバーが確認できるもの(個人番号カード、通知カード、個人番号が記載された住民票の写し)
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・健康保険被扶養者届(被扶養者がいる者のみ)
・卒業証明書(新卒の場合)
・源泉徴収票(前職のある者のみ)
・雇用保険被保険者証(前職のある者のみ)
・その他会社が必要とする書類
誓約書に記載することは主に、就業規則を遵守し誠実に勤務すること、個人情報や会社の機密情報を漏洩しない、故意または重大な過失により会社に損害を与えた場合は賠償をします、といった内容になります。
これらのことは就業規則にも記載しますが、誓約書という形で署名・押印をすることで、従業員に必ず守らなければならない、という強い意識付けにもなります。
身元保証書は、従業員が雇用契約に違反するような行為を行ったり、故意または重大な過失によって会社に損害を与えたりした場合に、従業員と連帯して身元保証人が損害を賠償することを定めます。また、会社に勤めるにあたって問題ない人物ですよということを証明する意味合いもあります。
身元保証人は1人でも構わないと思いますが、慎重を期すには2人を立てるようにした方が無難です。
身元保証人は通常は両親になるかと思いますが、事情により両親以外に頼む方もいるかもしれません。しかし両親以外に保証人をお願いするのは抵抗感があると感じて、本人の同意を得ないまま勝手に保証人にしてしまうこともあるかもしれません。そのような事を防ぐためにも身元保証人の印鑑証明書を一緒に提出させる会社が多いです。
なお、身元保証書の有効期間は、期間の定めが無い場合は3年まで、期間を定める場合は5年までと法律で決められています。多くの企業は再度提出を求めることはしませんが、もし5年後に新たに身元保証書の提出を求めるのであれば、その旨を就業規則に記載するか、身元保証書に5年後に再提出が必要ということをあらかじめ記載することを勧めます。
また、民法改正により、今年の4月から身元保証書に損害を賠償することを記載する際には、その上限額(金額に制限はありません)を定めておかないと身元保証書の契約が無効になりますのでご注意ください。
住民票記載事項証明書とは、証明書に記載された事項が住民票と相違ないことを証明するものです。
よく、住民票の写しを提出するようにとする企業を見かけますが、住民票には氏名や住所生年月日の他に、前住所(及び転居日)、本籍地、マイナンバーなど、重要な個人情報が記載されています。個人情報保護の観点からリスクを抑えるために、企業は必要以上に個人情報を取得しないようにするのが望ましいです。
書式は会社が作成し、それを入社予定者に渡して、入社予定者が自分の住む自治体で内容に相違がないことを証明してもらう形にするのが良いと思います。
マイナンバー(個人番号)は、源泉徴収、社会保険や雇用保険加入の手続などにあたって必要不可欠なものです。
提示してもらうにあたっては、利用の目的が何であるかを説明するのが本来の正しい運用のやり方です。就業規則に記載するのも一つの方法です。
番号を確認することが出来たら提示された書類は速やかに本人に返却してください。また、極めて高度な個人情報であるため、マイナンバーの管理は慎重に行ってください。
・その他会社が必要とする書類としては、給与を銀行振込にする同意書と口座番号、通勤経路に関する届出書などがあります。また、営業職で自動車の運転が必須な場合は、運転免許証の写しや、資格が必要な職業であれば資格証明書の写しなども提出してもらわなければなりません。
いつまでに提出させるのか
就業規則を見ると、これらの書類を入社後2週間以内に提出するようにと記載されている会社が結構ありますが、期限まで余裕があると安心して提出が遅くなることもしばしばありお勧めしません。そもそも、社会保険の被保険者資格取得届は入社後5日以内に年金事務所に提出する必要があり、2週間以内では間に合いません。
提出日は、入社当日もしくは翌日までにするのが良いです。こういった書類を、入社日に漏れなくきっちりと提出するか、忘れたり不備が多かったりするかで、その従業員の仕事への取り組み姿勢や能力を見極めるポイントにもなります。